がん検診
日本のがん検診は、「がんを早期に発見し、早期に適切な治療を行うことで、がんが原因で死亡する率を軽減する」という目的で行われています。がん検診の実施については、「健康増進法」という法律で定められており、国民健康保険を管理する自治体や、企業が加入する健康保険組合が任意で実施すること、となっています。これが現在、地方自治体や健康保険組合が年に1回以上行っている、健康診断とがん検診を行う根拠となっています。現在の日本において、がんで亡くなる人は「国民のおよそ3人に1人」といわれており、がんになる人は「国民のおよそ2人に1人」です。一般に、がんは「早期発見、早期治療が必要」といわれますが、これは、がんの種類やがんの進行度によっては、その後の生存率がとても低くなってしまうものがあるからです。そのために必要とされるのが、がん検診です。
自治体の補助があるがん検診について
胃がん検診 | 問診に加え、胃部エックス線または胃内視鏡検査のいずれか 対象者:50歳以上 受診間隔:2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 問診、視診、子宮頸部の細胞診、および内診 対象者:20歳以上/受診間隔:2年に1回 |
乳がん検診 | 問診および乳房エックス線検査(マンモグラフィ) 対象者:40歳以上/受診間隔:2年に1回 |
肺がん検診 | 質問(医師が自ら対面により行う場合は問診)、胸部エックス線検査および喀痰細胞診(ただし喀痰細胞診は、原則50歳以上で喫煙指数が600以上の方のみ。過去の喫煙者も含む) 対象者:40歳以上/受診間隔:年に1回 |
大腸がん検診 | 問診および便潜血検査 対象者:40歳以上/受診間隔:年に1回 |
オプション検査
腫瘍マーカー検査
腫瘍マーカー検査は、血液だけでも30種類以上もの検査項目が存在します。特定の腫瘍だけに現れるマーカーもあれば、複数の腫瘍で現れるマーカーもあります。あくまでも診断の判断材料のひとつです。
CT検査
頭から足の先まで、人体を輪切りにした状態の画像を得ることができ、臓器の形状などを調べる検査に適しています。喉頭がん、肺がん、肝細胞がん、腎細胞がんなどの検査に使用されるほか、血管の状態も確認できる検査です。
CT検査に有用な部位及び病変 | |
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得意な撮影部位 | 肺、肝臓、膵臓、腎臓、骨など |
得意な病変 | 肺炎、肺がん、胸水、腹部0腫瘍、尿管結石、腎結石、脳出血、副鼻腔炎、骨折など |
MRI検査
CTと同様に、頭から足の先まで、詳細な画像を得ることができる検査です。X線を使用しないため、放射線による被爆がありません。撮影の条件を変えたりすることで、いくつかの見た目の違う画像を得ることができます。臓器の形状、血管の状態などを確認できる検査です。
PET検査
ブドウ糖を大量に摂取するがん細胞の特性を活かし、腫瘍を発見する検査です。一度で全身の検査が行えるほか、痛みや不快感を伴うことなく、小さな「がん」も発見することができます。
状態 | 不得手な病変 |
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胃や食道などの消化器官粘膜に発生する早期のがん | 胃がん、食道がん |
5ミリ以下の腫瘍や、微小ながん細胞、播種性転移、粘膜の表面を這うようにびまん性に増えていくスキルスがん | 胃がん、一部の大腸がんと乳がんと肺がん |
糖をあまり必要としないがん | ごく初期のがんや、消化器官の粘膜や皮膚の表面に発生するがん |
悪性度の低いがん | 高分化がん、一部の甲状腺がん |
炎症を起こしている部位 | 外傷、細菌・ウィルスへの感染、慢性炎症など |
正常でもFDGが集まる臓器のがん | 脳・心臓・泌尿器科系・肝臓 |
FDGが集まりにくい臓器の原発がん | 原発性肝がん(肝細胞がん・胆道がん |
血液のがん | 白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など |
糖尿病の方、血糖値が高い方の診断、呼吸などで動く部位にあるごく小さな病変(呼吸のたびに動く | (呼吸性移動がある)心臓・肺・肝臓やその周辺の臓器 |
PET-CTとは
PETは、がんの存在をかなり高い確度で把握し、CTは、がんの正確な位置とがんの正確な形を描写します。この2つの長所がドッキングしたことから、PET-CT検査は「PETとCTの良いところを合わせた画期的な検査」と呼ばれているのです。
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