生活が困窮したときなどに利用できる制度をまとめました。

1)生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉および社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。この制度は都道府県社会福祉協議会が主体となって県内の市区町村社会福祉協議会が窓口となって実施しています。低所得世帯、障害者世帯、高齢者世帯等世帯単位に、それぞれの世帯の状況と必要に合わせた資金、たとえば、就職に必要な知識・技術等の習得や高校、大学等への就学のための資金、介護サービス利用のための資金貸付け等を行います。

貸付対象 

低所得世帯

資金の貸付けにあわせて必要な支援を受けることにより独立自活できると認められる世帯であって、必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)。

障害者世帯

身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者(現に障害者総合支援法によるサービスを利用している等これと同程度と認められる者を含みます。)の属する世帯。

高齢者世帯

65歳以上の高齢者の属する世帯(日常生活上療養または介護を要する高齢者等)

資金種類、貸付条件

貸付資金は総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類です。

各資金の概要や貸付条件は下記「生活福祉資金一覧」をご確認ください。
https://www.shakyo.or.jp/guide/shikin/seikatsu/pdf/ichiran_20160128.pdf
(全国社会福祉協議会)

ただし、福祉資金は用途に応じて下記「福祉資金福祉費対象経費の貸付上限目安額等」のとおり貸付上限目安額を設定しています。

https://www.shakyo.or.jp/guide/shikin/seikatsu/pdf/meyasu_20150331.pdf
(全国社会福祉協議会)

連帯保証人と貸付利子

借入申込者は、原則として、連帯保証人を立てることが必要ですが、連帯保証人を立てない場合も借入申込をすることができます。貸付利子の利率は、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%となります。

借入申込みの流れ

a) 福祉費、教育支援資金、不動産担保型生活資金

借入れを希望される場合は、お住まいの市区町村社会福祉協議会にご相談いただき、申し込むことができます。借入申込者よりご提出いただいた申請書類等をもとに、市区町村社会福祉協議会及び都道府県社会福祉協議会において申込内容の確認と貸付の審査を行い、貸付決定通知書または不承認通知書を送付します。貸付決定となった場合は、都道府県社会福祉協議会に借用書をご提出いただいた後、貸付金交付となります。

なお、借入を希望される方の状況に応じて、包括的な支援が必要な場合は、生活困窮者自立支援制度と連携しながら支援を行います。

自立支援医療制度の対象となる障害と標準的な治療の例
障害内容標準的な治療例
視覚障害白内障、先天性緑内障
聴覚障害先天性耳奇形→形成術
言語障害口蓋裂等→形成術
唇顎口蓋裂に起因した音声・言語機能障害を伴う者であって、鼻咽腔閉鎖機能不全に対する手術以外に歯科矯正が必要な者→歯科矯正
肢体不自由先天性股関節脱臼、脊椎側弯症、、くる病(骨軟化症)等に対する関節形成術、関節置換術、及び義肢装着のための切断端形成術など
内部障害<心臓>先天性疾患→弁口、心室心房中隔に対する手術
後天性心疾患 → ペースメーカー埋込み手術
<腎臓>腎臓機能障害 → 人工透析療法、腎臓移植術(抗免疫療法を含む)
<肝臓>肝臓機能障害 → 肝臓移植術(抗免疫療法を含む)
<小腸>小腸機能障害→中心静脈栄養法
<免疫>HIVによる免疫機能障害→抗HIV療法、免疫調節療法、その他HIV感染症に対する治療
<その他先天性内臓障害>先天性食道閉鎖症、先天性腸閉鎖症、鎖肛、巨大結腸症、尿道下裂、
停留精巣(睾丸)等 → 尿道形成、人工肛門の造設などの外科手術

b)総合支援資金、緊急小口資金

借入を希望される場合は、生活困窮者自立支援制度における自立相談支援事業の利用が貸付の要件となります(既に就職が内定している場合等を除く)。最初にお住まいの社会福祉協議会にご相談いただいた場合は、資金借受希望等をおうかがいさせていただき自立相談支援機関の利用につなげます。自立相談支援機関において相談者の個々の状況に応じて自立に向けた支援プランの検討とあわせてご相談の中で生活福祉資金(総合支援資金、緊急小口資金)の利用の可能性が考えられる場合に借入額や償還計画等についてご相談させていただいたうえで必要書類を添付し、申請いただくこととなります。

生活困窮者自立支援制度

全国の福祉事務所設置自治体が実施主体となって、官民協働による地域の支援体制を構築し、自立相談支援事業、住居確保給付金の支給、就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習支援事業その他生活困窮者の自立の促進に関し包括的な事業を実施します。また、都道府県知事等は、事業者が、生活困窮者に対し、就労の機会の提供を行うとともに、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等を行う事業を実施する場合、その申請に基づき一定の基準に該当する事業であることを認定する仕組みを設けます。自立相談支援事業は、生活困窮者からの相談に早期かつ包括的に応ずる相談窓口となります。ここでは、生活困窮者の抱えている課題を適切に評価・分析(アセスメント)し、その課題を踏まえた「自立支援計画」を作成するなどの支援を行います。また、関係機関との連絡調整や支援の実施状況の確認なども行います。

生活困窮者自立支援制度の概要

2)生活保護

生活保護制度

資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し困窮の程度に応じて必要な保護を行い健康で文化的な最低限度の生活を保障しその自立を助長する制度です。

  • 生活保護の相談・申請窓口:現在お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当です。福祉事務所は市・区部では市(区)が町村部では都道府県が設置しています。
  • 保護の要件:生活保護は世帯単位で行い、世帯員全員が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することが前提でありまた、扶養義務者の扶養は、生活保護法による保護に優先します。
  • 支給される保護費:厚生労働大臣が定める基準で計算される最低生活費と収入を比較して収入が最低生活費に満たない場合に最低生活費から収入を差し引いた差額が保護費として支給されます。
  • 保護の種類と内容
生活を営む上で生じる費用扶助の種類支給内容
日常生活に必要な費用
(食費・被服費・光熱費等)
生活扶助基準額は、
(1)食費等の個人的費用
(2)光熱水費等の世帯共通費用を合算して算出。
特定の世帯には加算があります。(母子加算等)
アパート等の家賃住宅扶助定められた範囲内で実費を支給
義務教育を受けるために必要な学用品費教育扶助定められた基準額を支給
医療サービスの費用医療扶助費用は直接医療機関へ支払
(本人負担なし)
介護サービスの費用介護扶助費用は直接介護事業者へ支払
(本人負担なし)
出産費用出産扶助定められた範囲内で実費を支給
就労に必要な技能の修得等にかかる費用生業扶助定められた範囲内で実費を支給
葬祭費用葬祭扶助定められた範囲内で実費を支給

生活保護の手続きの流れ

1. 事前の相談

生活保護制度の利用を希望される方は、お住まいの地域を所管する福祉事務所の生活保護担当までお越し下さい。生活保護制度の説明をさせていただくとともに、生活福祉資金、各種社会保障施策等の活用について検討します。

2.保護の申請

生活保護の申請をされた方については、保護の決定のために以下のような調査を実施します。

  • 生活状況等を把握するための実地調査(家庭訪問等)
  • 預貯金、保険、不動産等の資産調査
  • 扶養義務者による扶養(仕送り等の援助)の可否の調査
  • 年金等の社会保障給付、就労収入等の調査
  • 就労の可能性の調査

3.保護費の支給

厚生労働大臣が定める基準に基づく最低生活費から収入(年金や就労収入等)を引いた額を保護費として毎月支給します。
生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告していただきます。
世帯の実態に応じて、福祉事務所のケースワーカーが年数回の訪問調査を行います。
就労の可能性のある方については、就労に向けた助言や指導を行います。

必要な申請書類

 生活保護の申請をするにあたっては原則として氏名や住所又は居所、保護を受けようとする理由、資産及び収入の状況、その他保護の要否、種類、程度及び方法を決定するために必要な事項等を記載した申請書を福祉事務所に提出していただく必要があります。ただし、それができない特別な事情があれば、そうした申請書がなくても申請することができます。

 生活保護制度の仕組みや各種社会保障施策等の活用について十分な説明を受けるためにも、生活保護担当窓口での事前の相談が大切です。なお、生活保護の申請時の調査において、世帯の収入・資産等の状況がわかる資料(通帳の写しや給与明細等)を提出していただくことがあります。

  • 印鑑(三文判も可)
  • 本人確認書類(運転免許、写真付きマイナンバーカード、写真付き住基カードなど)
  • 預貯金通帳
  • 保険証、年金手帳、年金証書等
  • 家賃のわかる賃貸借契約書等
  • 公共料金の領収書等
  • 給与明細(収入有れば)
  • 手当を受給していれば、受給がわかる書類。

(その他必要書類は福祉事務所に確認してください)

生活保護制度Q&A

https://www.mhlw.go.jp/content/001106332.pdf

生活保護を申請したい方へ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsuhogopage.html